後縦靱帯骨化症を知るためのハンドブック

頚椎症性神経根症

頚椎症性神経根症の症状や原因、治療法などについて解説します。また、後縦靭帯骨化症との違いも見ていきましょう。

頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)とはどんな病気?

頸椎(首の骨)が変形して、神経根を圧迫する病気です。

症状として肩や腕、手などに痛みやしびれなどが現れます。痛みの度合いは、神経根への圧迫の度合いによって異なります。首を後ろにそらすと痛みが増すので、うがいなど、上を見る動作をするときに不自由を感じる方が多いようです。

その他にも、日常生活の様々な場面で支障をきたす可能性があります。

頚椎症性神経根症の原因

冒頭で「頸椎の変形による神経根への圧迫」で起こる病気と言いましたが、この頸椎の変形の原因は、加齢です。加齢にともない頸椎および頸椎に付随する椎間板が老化し、頸椎が本来の位置からずれてしまうことで神経根を圧迫するのです。

頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)との違い

頚椎症性神経根症は、別のページで解説している「頚椎症性脊髄症」と原因が類似しています。頸椎の変形が原因で「脊髄」を圧迫している状態が頚椎症性脊髄症、「神経根」を圧迫している状態が頚椎症性神経根症です。

脊髄は、背骨の中を通る一本の中枢神経。この脊髄から枝分かれしている無数の細かい線が神経根です。

頚椎症性脊髄症より、頚椎症性神経根症の方が軽症と言われます。これは、1本の木を脊髄、枝を神経根と照らし合わせると分かりやすいです。木は枝を1本切り落としたとしても、枯れることはありません。しかし、真ん中の太い幹を切り倒すと、細かい枝も含めてすべて枯れてしまいます。

このようなことから、神経根1本への症状よりも、幹である脊髄への症状の方が、ダメージが大きいと言えます。

頚椎症性神経根症の検査は首の骨をチェックする

頚椎症性神経根症は、首の症状です。そのため、検査は主に首の骨を中心に行っていくことになります。

検査方法には、「レントゲン」「MRI」「筋電図」の3つがあります。

しかし、レントゲンでは骨の状態は確認できても、狭窄や圧迫部分の特定は困難です。そのため、脊髄や神経の圧迫を確認する場合は、主にMRIを用いることになります。MRIによる検査は、およそ1時間かかります。磁力を使って検査をするため、基本的には金具類のついていない類に着替え、MRI装置の中に入って検査します。

なお、筋電図はレントゲンやMRIとは違い、体のしびれを検査するための方法です。人はしびれが走る時、神経に何らかの反応があります。それを確認するのが筋電図です。

頚椎症性神経根症の治療方法

頚椎症性神経根症は、基本的に自然治癒力を用いて治すことになります。頚椎症性神経根症によって変形した首の骨を戻すことはできませんが、自然治癒によって神経が受けたダメージを治すことができ、痛みを緩和することが可能なのです。

その際の治療方法としては、薬物療法もしくは装具療法が挙げられます。この2つを用いた保存療法で、症状の改善が見られることは多いです。

薬物療法の場合、神経の炎症を抑える鎮痛剤や、神経痛、しびれを改善するビタミン剤の他、プレガバリンと呼ばれる神経痛を緩和するお薬を使用します。

装具療法では、首に頚椎カラーという装具を取り付けて頚椎を固定させることで、変形した骨が神経を傷つけることを防ぎます。

症状緩和に役立つアイテム

頚椎症性神経根症の症状を和らげるためには、枕の見直しも重要です。

自分に合わない枕だと首に相当の負担がかかりますし、寝苦しさのあまり起きてしまうことも考えられます。逆に、自分に合った枕であれば、首の負担を大幅に減らすことができ、しっかりと寝て首と肩の疲れを取ることも可能です。

後縦靭帯骨化症(こうじゅうじんたいこつかしょう)との違いは?

後縦靭帯骨化症では骨化した靭帯が脊髄を圧迫するのに対し、頚椎症性神経根症では変形した脛骨が神経根を圧迫します。

また、頚椎症性神経根は肩から手を中心に発症するケースが多いですが、後縦靭帯骨化症は手足だけでなく、首から下全体に起こる可能性があります。

頚椎症性神経根症と診断されたら

頚椎症性神経根症と診断された場合は、「首の骨に負担をかけないこと」を徹底する必要があります。現在、変形した首の骨を修復する方法はないからです。

首の骨に負担をかけないためにどうすればいいのかということは、医師に相談してください。症状の進行度によっても具体的な対策方法が異なるためです。

 
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